髪の臭いをとってくれる、シャンプーの歴史について知ろう
頭皮を清潔にしてフケやかゆみ、嫌な脂の臭いをとってくれるシャンプーは、現代人の毎日の習慣になっています。
でも、シャンプーがなかった時代は、人々は髪の臭いにどう対処していたのでしょう? ちょっと気になるシャンプーの歴史についてご紹介いたします。
日本人の洗髪事情
シャンプーなし時代(古代~江戸時代)
古代から江戸時代にかけて、日本ではこまめに洗髪する習慣がありませんでした。
古代の人たちが髪を洗うのは、病気や災害などの「たたり」から身を守るために沐浴をするときだけで、清潔のためというよりは穢れを祓う宗教的儀式の意味合いが強いものでした。
平安時代になると、年に1回程度の洗髪をするようになりましたが、髪に小豆粉や米のとぎ汁をつけてすくというやり方で、およそ清潔とは言い難いものでした。臭気をごまかすために、すいたあとの髪に香りを焚きしめたり、枕の中に香炉を入れたりと、さまざまな工夫を凝らしていたようです。
江戸時代になると洗髪の頻度もぐっと増し、月1、2回は洗うようになりました。この頃には「湯屋」と呼ばれる、今でいう銭湯が利用されていましたが、お湯を節約するために洗髪は禁止されており、みんな自宅の縁側や土間などで洗っていたということです。また、当時の人々は髪を結っており、臭いをごまかすために香りの強い髪油を使っていました。
シャンプー初期時代(明治時代~)
日本に初めてシャンプーが登場したのは明治時代。当時は、現在のような液体状のものではなく粉石けんタイプが使われていました。商品名は「新発明玉子製散髪用・美髪粉」。新聞に広告が掲載され、女性を中心に広まっていきました。もっとも、今日のシャンプーのように化学成分が合成されていたわけではないので、洗浄力はあっても、髪がキシキシすることは避けられなかったようです。その後、昭和になり「モダンシャンプー」という商品が発売。このとき初めて“シャンプー”という言葉が日本に定着しました。
正しいシャンプーの仕方
日本の洗髪の歴史を考えると、現在のように毎日頭が洗える環境はとても恵まれています。シャンプーの品質もどんどん進化し、頭皮や髪の汚れをすっきり落としながら、キューティクルも一緒に保護してくれる高品質なものを選べます。せっかく質の良いシャンプーが手に入るのですから、肝心の洗い方もマスターし、しっかり汚れを落としましょう。
シャンプーの手順
1. まず、ブラシで髪をよくとかし、からまりをほどきながら汚れやほこりをとる。
2. お湯で髪全体をしっかりと濡らす。この時点で、水溶性の汚れはほぼ落ちる。
3. 適量のシャンプーを手にとり、お湯を加えて手のひらでよく泡立てる。泡立ちが悪いと髪と髪をこすり合わせることになり、傷んでしまうので要注意。
4. 髪全体にシャンプーをつけ、泡で包み込むように洗う。頭皮は爪を立てず、指の腹を使って丁寧にマッサージする。
5. 洗い残しが出やすい耳の裏までよく洗う。
6. お湯ですみずみまできちんと洗い流す。すすぎ残しはフケやかゆみ、臭いの原因になるので、しつこいぐらいしっかりと!
7. ヘアオイルや、ヘッドオイルなどを垂らし、保湿も忘れずに。
時代を追うごとに清潔への関心が高まり、いまやシャンプーは毎日のエチケットです。現在のシャンプーは汚れを落とすだけでなく、香りや洗いあがりの指通りがよくなるもの、清涼感のあるものなど、製品も豊富。正しいシャンプーの方法を実践して、いつも爽やかに過ごしたいですね。
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