子どもの脇が臭う……、もしかしてワキガ!? 小学生でも、高学年になるとワキガになってもおかしくはありません。子どものワキガは、身体のメンテナンスとともに、心のケアも大切です。子どものワキガに気づいたら、具体的にどのような対応をすればいいのでしょうか?

ワキガの原因と低年齢化

汗を出す汗腺には、エクリン線とアポクリン線の二種類があります。エクリン線は全身にあり、主に体温の調節を担っています。成分の99%が水で、残りの1%に塩分や尿素、アンモニアなどがわずかに含まれています。さらっとしていて、においはほとんどありません。
一方、アポクリン線は、脇の下や陰部などのごく限られた部分にある汗腺で、タンパク質や脂質、ミネラル成分を多く含み、べたべたとした粘り気のある汗です。ワキガの原因とされているのは、アポクリン線から分泌された汗によるものです。この汗が皮膚にいる常在菌によって分解される際に、独特のにおいが発生します。
第二次性徴の始まりとともに、アポクリン汗腺が発達して活発になります。アポクリン線はそもそも、動物がお互いを感知し、異性を惹きつけたり、さまざまなコミュニケーションをとったりするためにあるものなので、においを発するために存在している汗腺なのです。
現代の子どもは発育がよく、第二次性徴の時期が早まっているので、ワキガの発生もそれに伴って低年齢化しています。ワキガは優性遺伝といわれています。両親とも、あるいはどちらかがワキガなら、子どももワキガになる可能性は高くなります。

子どものワキガの対策

主な対処の仕方は、大人のワキガと同じです。本人が気づいている場合と気づいていない場合とで、働きかけ方を変えながら、できることをやっていきましょう。
食事の改善
日本人のワキガ率は欧米人に比べて低いのですが、最近は食生活が欧米化したことにより、ワキガになりやすい環境にあります。肉食や脂質の多い食事は、アポクリン線の働きを活発にさせます。野菜や発酵食品を多く摂るように心がけましょう。
適切な肌着を着用する
汗がうまく放出されずに下着内で蒸れてしまうと、菌が繁殖し、においが発生しやすくなります。吸水性や通気性に優れた綿100%などの素材で作られている下着を着ることで、湿気がこもるのを抑え、においの発生を減らすことができます。また、着用した衣類はよく洗濯し、清潔な状態を保つようにしましょう。
こまめに汗を拭きとる
汗は、時間がたつと菌が繁殖し、よりにおいが強くなってしまいます。こまめに脇汗を拭き取ることにより、においを最小限に抑えることができます。アポクリン線から出る汗はべたついた汗なので、濡れタオルやハンカチで拭きとるようにしましょう。ウエットティッシュやデオドラントシートを利用するのもおすすめです。また、体の内側からケアするエチケットサプリメントなどもオススメです。
専門家に相談する
それでもワキガが気になる場合は、皮膚科や形成外科などの専門家に相談する方法もあります。手術を考えるなら、第二次性徴期を終えて、アポクリン汗腺の増加が止まってからがよいでしょう。

子どもの心のケア

子どもに「ワキガ」という言葉を使ってもぴんとこないかもしれません。特ににおいに関する話題はデリケートなもの。いきなり「身体が臭う」と言われてしまっては、子どもの心も傷づいてしまいます。子どもが気づいてないケースも多いので、周囲の大人がさりげなくフォローしていくことが大切です。第二次性徴の話とともに、成長していく身体のさまざまなケアの仕方の一環として、教えてあげるものいいですね。
思春期の子どもは、親に対して少し距離を置くこともあります。もし悩みがあったとしても、親に打ち明けられずにいるかもしれません。さりげなく話題を振りながら、話しやすい環境を作りつつ、においが軽減されるような食事づくりや衣類、消臭グッズなどを整えていきましょう。子どもが相談してきたら、よく話を聞いたうえで、ワキガは悪いものではないということを伝え、一緒に対処方法を考えることが大切です。遺伝性の場合が多いので、ご両親はきっと心強い相談相手になれるのではないでしょうか。心のケアが、慎重に、かといって深刻にならずに進めていけるといいですね。