介護の大きな悩みの筆頭として挙げられる「臭い」。トイレや衣類、口元など、臭いのもとはたくさんありますが、頭髪部は介護をする際に鼻先に近い場所になりやすいため、臭いが気になる部分のひとつです。髪のケアを丁寧にすることで、臭いだけではなく、コミュニケーションの悩みも解消できるチャンスになるかもしれません。早速、シャンプータイムを活用てみませんか?

丁寧な洗髪で髪の臭いが軽減

手間がかかる洗髪は、手短に済ませてしまいがちです。けれども、頭皮からの臭いは意外と鼻につきやすいもの。頭皮は皮脂や汗の分泌が多いため、蒸れや雑菌などによる臭いが発生しやすい場所です。丁寧にシャンプーを行うことで、臭いだけでなくフケやかゆみなどの不快な症状も和らげることができます。入浴ができないときでも、洗面台や流しを使って洗髪は可能です。仰向けの姿勢で横になったまま、大きめの洗面器を後頭部の下において行う方法もあります。体調や環境に合わせて、なるべく洗髪の機会を増やすようにしたいですね。
髪に臭いを残さない洗髪のポイントは次の通りです。
予洗いをしっかり
シャンプーを効果的に行うために、ぬるま湯で、頭皮と髪全体の汚れを軽く流しておきます。予洗いをするだけで、シャンプーの泡立ちが格段によくなり、本洗いがしやすくなります。濡らす前のブラッシングも、汚れが落ちやすくなるのでおすすめです。
本洗いでは地肌をマッサージ
シャンプーを髪全体になじませて、指の腹をつかって頭部の地肌をまんべんなくマッサージするように洗います。ごしごし擦らないようにしましょう。
すすぎ残しはトラブルのもと
すすぎは必ずしっかりと。シャンプー剤が残ったままだと、フケやかゆみ、皮膚のトラブルなどの原因になります。トリートメント剤も、ぬめりが残らないようにすすぎましょう。
しっかり乾かす
濡れたまま放置すると、頭皮が蒸れてしまい、雑菌やカビなどが発生しやすくなります。タオルでよく拭いた後は、ドライヤーで髪の根元をきちんと乾かしましょう。あまり熱風を当てすぎると皮膚が乾燥しすぎてしまうので注意してください。

コミュニケーションも円滑に

忙しいと動作も雑になってしまいがちです。そんなときこそ、作業のひとつひとつを丁寧にすることを意識してみましょう。リラックスできるような音楽を流してみるのもおすすめ。介護される側はもちろん、する側も穏やかな気持ちになってくるはずです。ゆったりとした気持ちで洗髪を行うことで、会話が楽しく弾むかもしれません。もし会話ができない状態だとしても、指の動きを通して大切に扱ってくれているということは十分に伝わります。洗髪は、準備から乾かすまでの作業量の多さが、負担に感じる原因のひとつです。単に髪を洗う作業としてではなく、お互いがリラックスして会話を楽しむ時間と考えてみると、心の負担も和らぐのではないでしょうか。湯船につかると身体の芯からほっとするように、温かい水には物理的な汚れだけではなく、心も穏やかにしてくれる力があります。そのお湯のパワーを借りる気持ちで、取り組んでみるといいかもしれませんね。

おしゃれ心で気分を明るく

髪がきれいに整うと、気持ちも自然と明るくなります。実際に、お化粧をして美しくすることで自信や満足感を取り戻す「化粧療法」が医療や福祉の現場で注目され、取り入れている施設も増えています。
洗髪されるのが苦手な方でも、定期的なヘアカットやブラッシングなどを楽しく習慣づけていくと、自分の身だしなみに関心をもち、積極的になるかもしれません。気持ちが元気になれば、脳も活性化し生活のハリもでてきます。蒸しタオルで拭いたり、ドライシャンプーやブラッシングをしたりするだけでもさっぱりとするので、状況に合わせて試してみてください。好みの香りを聞いてヘアケア剤を選んだり、質のいいブラシを使ったりなどの工夫をして、お互いに心地のよいシャンプータイムを過ごしたいですね。