食欲の秋、売り場に並んでいる秋刀魚を見ると食べたくなるものですが、気になるのが調理に伴う「臭い」ではないでしょうか? 旬の秋刀魚をおいしく食べたいけれど臭いはいやだ・・・、そんな願いを叶える防臭、消臭、残り香の対策ポイントをお伝えします。

下ごしらえで防臭!食材に生臭さを残さない

臭い対策にあたり知っておきたいのが、魚臭さの原因について。一般的に「魚臭い」といわれる臭いは大きく2種類に分けられます。
ひとつは「磯臭さ」で、生息している環境や食べているえさによる臭いです。「磯の香り」が苦手な人も見られるものの、「磯臭さ」は必ずしも不快感につながるわけではありません。
そして、もうひとつの魚臭さが「生臭さ」。これは細菌が繁殖することで発生し、鮮度が落ちるにつれて強さが増す不快な臭いです。魚が生きている状態では免疫機能のために細菌の活動が抑えられていますが、免疫機能が停止すると細菌による養分の分解が活発になります。「生臭さ」の原因はジメチルアミンの分解によって発生する「トリメチルアミン」という臭い成分。この臭いは「アミン臭」ともいわれます。
アミン臭を発する「トリメチルアミン」は水に溶けやすい揮発性の物質です。このため、下ごしらえで湯通し(霜降り)を行ったり、表面を炙って「たたき」にしたり、油で揚げたりすることで食材の「生臭さ」は抜けます。

消臭対策でキッチンをすっきりリセット!

料理がおいしくできても、キッチンやまな板をはじめとする調理器具に臭いがついてしまってはちょっと憂うつになりますよね? 調理に伴うキッチンの臭いは、ポイントを押さえた後片付けですっきりリセットしましょう。
細菌を繁殖させない!
魚の調理に使用した器具が生臭くなるのは、調理器具に付着した細菌が「アミン臭」を発生させるからです。これを止めるには、なによりも細菌を繁殖させないこと。調理に使用した包丁やまな板をはじめとする調理器具は、なるべく早く洗いましょう。魚料理のあとは、まず水で洗うのがポイント。お湯をかけるとたんぱく質が凝固して汚れが落ちにくくなります。キッチンペーパーで汚れをふき取り、水洗いののち、洗剤を使って洗うようにすると汚れ移りが防げてより効果的です。それでも臭いが気になる場合は、漂白剤を使う、洗ったあとにアルコール殺菌を行うといった方法も試してみてください。
調理前のひと工夫で片付けを楽にする
料理は好きだけれど後片付けはめんどう、そう思っている人は少なくないはず。後片付けを楽にするちょっとしたひと工夫もあわせてご紹介しましょう。
 まな板は一度水で湿らせてから使う(乾いた状態に比べて汚れの染み込みが少なくなります)
 まな板の上にクッキングペーパーを敷いて魚の下処理をする
 茶がらをグリル皿に入れる(消臭対策)
 片栗粉を溶かした水(300ccの水に片栗粉大さじ4~5杯)をグリル皿に流し入れて調理する(温度が下がりゼリー状に固まったものをはがして捨てるだけで汚れがとます)

後片付け後の残り香はどこから?

秋刀魚をおいしくいただいて後片付けも完了。ひと段落してお腹も落ち着いたところで気になりだす残り香は、どこから漂ってくるのでしょう? 
生ごみの臭い
頭がついた状態の魚を買うと、どうしても出てしまうのが頭や骨、内臓といったごみ。魚料理は生ごみの回収日前日にするという声もきかれますが、すぐに処分できない場合はきっちり密封して回収日まで保管しましょう。
手に染みついた臭い
片付けが済んだら、手に染みついた臭いもリセット。予防策として、調理用の手袋をつける方法は有効ですが、手についてしまった臭いを消す方法も見てみましょう。
先人の知恵として伝わる「○○を使って手を洗うといい」という消臭法に使われるものには、牛乳、柑橘(かんきつ)類の皮、塩、酢、茶がらなどがあります。さらに、イオンの力で臭いを消し去る「ステンレスソープ」も有効です。魚やニンニク、玉ねぎなどの臭いの分子はマイナスの電荷を帯びており、水でぬらすとプラスの電荷を帯びるステンレス鋼がうまく作用して臭いが消える化学反応が起こります。ステンレスソープがないときには、水道の蛇口を石けんの代わりに使うと同様の効果が得られます。
水産庁がまとめた調査(農林水産省が平成25(2013)年2月に全国の消費者モニターを対象として実施した意識・意向調査)によると、魚に対する消費者のイメージは「健康に良い」(95.3%)、「子どもにもっと食べさせたい」(94.0%)、「自分自身ももっと食べるようにしたい」(95.3%)、「栄養価が高い」(68.9%)ととても高評価。特に栄養価の高まった旬の秋刀魚を食べない手はありません! ポイントを押さえた臭い対策で、秋の味覚をおいしく、気持よくいただきましょう。