お年寄りの介護にはさまざまな負担がつきものですが、なかでも臭いに頭を悩ませている人は少なくありません。1日中寝たきりであることによる体の臭いは、こまめな入浴によってかなり軽減できます。
とはいえ、お年寄りを1人でお風呂に入れることは想像以上に大変。そこで、入浴のコツについてご紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください。

臭ってしまう原因

年齢を重ねると、代謝力が低下したり腸内の悪玉菌が増えたりすることで、どうしても全身が臭いやすくなります。これに加えて、自分で自由に体を動かせない寝たきりの状態であれば、汗をかくことによって細菌が繁殖したり、排泄物が付着したりして余計に臭いが強くなることもあります。

お年寄りの入浴に最適な石けんとは?

老人臭をすっきり洗い流すには、できるだけ体臭を抑制するデオドラント作用を高めた石けんを使うのがポイントです。「カキタンニン」や「ミョウバン」などの消臭成分が配合されている石けんを選ぶといいでしょう。繁殖してしまいがちな細菌に対抗するためには、抗菌作用があることも重要です。
また、抵抗力の弱いお年寄りの肌を守るために化学物質の多いものは避けましょう。肌への摩擦もよくないので、泡立ちもチェックしてください。

お風呂に入れる前に、全身の状態をよく観察する

入浴は体力を消耗しやすく、体調の悪いときに無理して入ると余計に悪化する可能性があります。そのため、お年寄りをお風呂に入れる前には、必ず全身の状態を観察しましょう。言葉がはっきりしていれば、本人に尋ねるのが一番いいでしょう。それが難しい場合は、イラストを持ってきて調子の悪い部分を指さしてもらう方法もあります。
体温・食欲・顔色などに問題がなければ入浴できますが、気温の下がりやすい早朝と深夜を避け、比較的暖かい日中を選ぶようにしましょう。体への負担が大きい空腹時や食後も避けたほうが無難です。特に、冬場の入浴は注意が必要。極端な室温の変化はヒートショックなどを招きやすいため、あらかじめお風呂場を温めておくことが大切です。もし、なんらかの理由で入浴が難しいと判断した場合は、体が冷えないように室温を調節して、お湯で濡らして固く絞ったタオルで拭いてあげるとよいでしょう。

上手な入浴のポイント
お年寄りを浴槽のお湯に入れる前には、必ず湯温を確かめましょう。熱すぎるお湯は体への負担が大きいので、38~40度ぐらいが適温となります。そして、足が滑らないよう、あらかじめ洗い場や浴槽内に滑り止めのマットを敷いておきます。お年寄りが自分で体を支えられるよう、手すりも付けてあればより安心です。また、お湯のなかにいすを沈めておくと、立ったり座ったりが楽になります。
排泄はできるだけ済ませておき、本人が気にならないよう体にタオルをかけてあげてください。お湯のなかで十分に温まったら、洗い場でシャワーの温度を確かめながら全身を洗います。特に、汚れがたまりやすい陰部やわきの下は丁寧に。
入浴後はお茶などで水分補給をし、念のため、しばらくは体調に変化がないか気を配りましょう。

こまめな入浴で、お互いに気持ちのよい空間づくりを

どんなにお年寄りに対して愛情があっても、鼻をつく嫌な臭いは耐え難いもの。そして、そのことを一番気にしているのは本人です。体の臭いはこまめな入浴でかなり軽減させることができるので、体調に気をつけながら入浴させてあげましょう。