心と体をリラックスさせると言われるアロマ。1日が終わり、体が疲れている時や興奮状態で眠れない時に良い香りを嗅ぐと、不思議と緊張を和らげてくれるものですよね。好きな香りを嗅ぐことももちろん良いのですが、実験により快眠効果があると科学的に立証されている香りもあるのです。今回は、香りが眠りに与える影響と、快眠にぴったりの香りをご紹介します。

アロマがもたらす快眠効果

オムロンが、寝つきに悩みを持つ20~50代男女30名を対象に行った調査で、就寝前の香りが眠りに及ぼす面白い結果が明らかになりました。被験者には、最初の1週間は従来のスタイルで就寝してもらい、次の2週間は植物から抽出した100%天然の香り(エッセンシャルオイル、精油)であるアロマを使用しながら就寝してもらいます。そうして3週間彼らの眠りのデータを計測したところ、70%の被験者の平均寝つき時間が、アロマ使用前が26分だったのに対し、アロマ使用後は19分と7分短縮。さらに、起床までの時間が短縮した人や睡眠時間が増えた人が52%、目覚ましのスヌーズ機能を繰り返す回数が減った人が43%と、寝つきや起床の改善が見られました。
また、アロマを使用することによりよく眠れるようになったと感じたり、日中の眠気が改善されたと感じたりする人もそれぞれ半数以上となりました。アロマによって睡眠の質も向上したことがわかります。

快眠に最適な香り

では、快眠を助ける香りとはどのようなものがあるのでしょうか。科学的に眠りを誘うとされる5種類の香りをご紹介します。

鎮静作用のあるラベンダーの香り
鎮静作用があるとされるシトラス系、ハーバル系、ウッディ系の香りの中でも、ラベンダーは最も睡眠に適した香りと言われています。最近、ラベンダーのアロマは医療機関や介護施設でも使用されており、日本では大学生を被験者としてラベンダーの香りをつけた布団で眠る実験を行ったところ、香りのない布団と比べてレム睡眠や深い睡眠が増加したという実証実験もあります。ラベンダーの鎮静作用により、神経が落ち着きリラックスできると考えられます。

セドロールを含むシダーウッドの香り
ヒノキのお風呂に入ったり、森林浴をしたりすると気持ちがリラックスします。ヒノキ科やスギ科の樹木の香りに含まれるセドロールという物質には快眠を高める作用があり、アロマではシダーウッドの香りに多く含まれると言われています。セドロールの香りを嗅ぐことで、寝つくまでの時間の短縮や眠りが深くなる効果があり、睡眠薬に匹敵するほどの効果が実証されている例もあります。

白く愛らしい花、ネロリの香り
フローラルでフェミニンな印象のネロリのアロマオイルは、白い花から抽出されます。心配事や不安を取り除いてくれる作用があり、女性のホルモンバランスを整えるとも言われています。

意外! 眠りを促す
コーヒーの香り

コーヒーというと起床後や深夜の仕事などで目を覚ましたい時に飲むのが定番ですが、コーヒーの香りは気分を落ち着かせるアルファ波を高めるため、香りだけなら眠る前にも役に立ちます。ただし、コーヒーの種類によってその作用には違いがあるので注意が必要。グアテマラやブルーマウンテンは、アルファ波を増やす香りと言われているので、眠る前のコーヒー習慣を試してみてはいかがでしょうか。
民間療法にも使われるタマネギの香り
タマネギやニラ、ニンニク、ラッキョウなど「硫化アリル」と呼ばれる刺激臭を持つ野菜の香りは、気持ちをリラックスさせ眠りを誘うと言われ、西洋の民間療法で使用されることがあります。ただし、刺激臭ですので強すぎるのは厳禁。香りに気づくか気づかないかの量を枕元に置いて眠ることで、深いリラックスした眠りが得られます。

香りは質のいい睡眠、そして健康への架け橋

快眠は、日中の集中力向上だけでなく、睡眠中に成長する免疫細胞の向上にもつながり、風邪や感染症にかかりにくくなると言われています。香りをうまく利用して上質な眠りのある生活をおくりましょう。