体臭と言うと一般的に嫌なイメージを持たれがちですが、実はその体臭が女性の恋愛に一役かっていることはご存じでしょうか。
「好きな人がいるけど、その人との相性はいいのかな……」と、好きな人ができると誰しもが思うそんな悩みを解決するヒントは、実は体臭にあったのです。

恋愛遺伝子、HLAとは

HLA遺伝子とは、白血球に含まれる免疫に関する遺伝子の複合体です。染色体の6番目にあり、免疫や抗体の組み合わせを父親から1組、母親から1組ずつ受け継いで、その「型」が決まります。個体によって型のパターンがあるため、白血球の血液型ともいえます。このHLA遺伝子の免疫システムが違う程、両方の遺伝子が交わって多様性が高くなり、より強くて丈夫な子孫が残せると言われています。似たような遺伝子同士だと、免疫力が下がり、結果的に弱い遺伝子となってしまうのです。
女性はより強い子孫を残すため、無意識に遺伝子の型がより違う相手を好む傾向にあります。つまりこのHLA遺伝子が恋愛の相手を選ぶ大きなカギとなっていると言えます。スイスでは、このHLA遺伝に着目し、なんと遺伝子から男女のマッチングを行なうサービスを行っているパートナー紹介企業も存在します。
では、肝心な自分と遠い遺伝子を持つ相手とは、どうしたら見つかるのでしょうか。

体臭と遺伝子の密接な関係

スイスのベルン大学の動物学者、クラウス・ヴェーデキント博士が行った、体臭に関するこんな実験がありました。
まず、44人の男性に、コットンのTシャツを着たまま2晩続けて寝てもらいます。その期間中は、Tシャツに体臭以外の臭いがつかないように、コロンや制汗剤、香辛料が強い食べ物など体臭に影響のあるものは一切禁止。その後、2日間でそれぞれの男性の汗を吸い体臭をしっかりしみこませたTシャツを、49人の女性たちに嗅いでもらい、「匂いの強さ」・「快感度」・「セクシーさ」 というカテゴリーにもとづく得点をつけて、どれが好みかを示してもらうという実験です。
その結果、女性が最も魅力的だと感じたTシャツは、なんとそれぞれの女性の遺伝子的資質とは最も異なる免疫システムを有する男性のものでした。女性は無意識に自分とより違う遺伝子を有する相手が発する体臭に惹かれている、ということが科学的に判明したのです。
上記の実験からもわかるとおり、体臭はそもそも、自分と異なる遺伝子を持つ他人を識別する信号のような役割を持っていると言えます。人間も動物も、生まれた時から個体ごとに違う体臭を持っており、10人いれば10通り、100人いれば100通りの体臭が存在します。自らの遺伝子を体臭として発しているため、遺伝子の相性が合う人、合わない人で相手の体臭の受け取り方も大きく変わるのです。

体臭の好みの変化

好きな男性の体臭には、女性を精神的に落ち着かせる作用があるといわれています。好きな人と一緒にいると安心したり、ハグをしたときに落ち着いたりするのは、首筋など体臭が出やすい部位に接近することが起因しているのかもしれません。
そして驚くべきことに、女性は妊娠し子供が生まれると、今度は反対に自分と近い遺伝子の臭いを好む傾向に変化していきます。これは、子供を守るため、本能的に近親者に守ってもらいたいという本能が働くことが原因だと考えられています。同じ理由から、娘にとって父親は遺伝子が近い相手ですが、例外的に好みの体臭として受け入れられると言われています。体臭は女性にとって、男性を選ぶうえでとても大切なものなのです。
体臭と遺伝子の関係を頭の片すみにおいて、もう一度パートナーの臭いを嗅いでみてください。安心したり、いい臭いと感じたりする人であれば、あなたと遺伝子レベルで相性があっている、ということかもしれません。